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2011年4月10日 (日)

過度な自粛を慎め

 東北地方太平洋沖地震による東日本大震災が発生してから、明日11日で1ヶ月となる。死者行方不明者は3万人に迫り、津波による福島第一原発の事故も収束が見えず、未曾有の大地震の爪あとは深く残っている。

 さて、震災から1ヶ月が経ち、被災地でも復興への歩みを始めたいところだ。しかし、多数の死者・行方不明者が発生し、今もなお不自由な生活を強いられている被災者のことを思うと、胸が張り裂ける思いだ。それによってか、日本全国で過度な自粛行動が見受けられる。

 もちろん、被災した方々のことを思うのは、人として当然のことだ。ところが、それに伴う様々なイベントや消費行動の自粛によって、復興への前途は多難になってしまう。こういうときだからこそ、われわれにできることは、できる限り普段どおりの生活に努め、開催できるイベントは積極的に開催していくことだ。

 復興には、当然多額の金が必要になる。われわれが過度の自粛によって経済の循環を停滞させれば、復興を主に担う役の企業の収益が悪化し、引いては日本全体に経済に悪影響を及ぼす。今回の震災によって既に経済は下を向いており、弱り目に祟り目というような状況になってしまう。

 石原東京都知事が花見の自粛を呼びかけたが、これでは抽象的すぎる。細かく言えば、節電のためにも、夜間の花見を自粛すべきなのだ。昼間に花見をする分には何の問題も無い。

 また東京ディズニーリゾートは、地震以来運営を見合わせているが、これは計画停電の影響である。計画停電が実質終了した今、当然節電に対する取り組みを明確にしつつ、早期に運営を再開すべきだ。再開した暁には、被災した方々を招待するなどの取り組みも考えられよう。

 明後日12日には、日程をめぐって揺れたプロ野球が開幕する。やはり東電・東北電管内における節電に留意しつつ、熱いプレーを見せてくれることを期待したい。

 プロ野球開幕問題においては、マスコミの報道にも問題があったと思う。東京ドームでの巨人戦開催は、節電計画を持ち出してもなお叩き続けたが、実は4月下旬から人気漫画・ワンピースのイベントが執り行われる。これについては何も触れられていない。ジャーナリズムとしての観点から言えば、問題の有る姿勢だ。読売が悪いという世論に持って行きたいが故の報道だったと思えなくもない。東京ドームでは1試合に5万キロワットの電力を使うと言うが、標準的な一世帯あたりの一日の電力消費量はおおよそ10キロワットであるから、仮に4万人が観戦に訪れるとすれば、もちろん単純な計算はできないが、たとえば2人で一世帯と考えれば、試合中は二万世帯で電気が使われないということになり、つまり20万キロワットの電力消費が無くなるということだ。これは一日あたりの数値であるから、単純に24時間で割って試合時間3時間とすると、2万5000キロワットになる。差し引けば、東京ドームで1試合開催するのに必要な電力は2万5000キロワットだ。東電管内におけるパチンコ店の電力消費量は一日あたり400万キロワットと言われるから、比べれば大きな数字ではない。むしろ、パチンコ店が何も触れられないことこそが大問題だ。

 活動している企業にも、それぞれの事情があるからこそ、一律の電力制限は難しいと言えよう。しかしわれわれ個人には、今できる最低限のことをする義務がある。被災地の一日の早い復興のためにも、ひとりひとりが積極的な経済活動をすることを求めたい。

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さみしいとき
あるよね
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